人類進化論アクア説

 人類進化論アクア説というのをご存知でしょうか?私は、昔読んだ故景山民雄さんのエッセイ集で知りました。

 ごく簡単に説明すると、人類の祖先はイルカやクジラと友達だったことがあった、ということです。

 現在一般的に知られている人類進化論はサバンナ説と呼ばれていて、人間の祖先とされる類人猿が前足で道具を使うために直立歩行を始め、やがて火を使うようになった、というものです。
 しかし、さまざまな化石の発見により、ヒトは道具を使い始めるよりも早く直立歩行を始めていたことがわかりました。また類人猿の化石の見つかった900万年前から、直立歩行を始めた人類の化石の見つかった350万年前の間の、実に550万年もの期間の人類の化石が見つかっていない(ミッシングリンクと呼ばれています)ことなどから、サバンナ説では説明のつかない部分を埋める説として現れたものです。

 つまりミッシングリンクの期間、ヒトは水中にいたという訳です。陸上で生活するほ乳類のうち、体毛がないのはヒトだけです。陸上生活する上で体毛がないのはとても不利なのにです。体毛のないほ乳類は水中で生活するイルカやクジラの仲間達だけなのです。この他にもアクア説を裏付けるさまざまな説明が存在しますが、この説を信じるために、私にはこれだけで十分でした。
 詳しくは、人類進化論アクア説1水生類人猿説 - Wikipediaをどうぞ。

 人類の祖先がイルカやクジラと水中で一緒に暮らしていたなんて素敵すぎます。
 陸上で生活していたほ乳類が、何かの理由で水中で生活するようになり、そしてまた何かの理由でヒトやその他のほ乳類(象なんかがそうだといわれているようです)は地上に戻り、イルカやクジラは水中に残ったのです。

 この説を裏付ける証拠はまだまだ足りないようですが、これの方が素敵だという理由だけで、私は断然この説を支持します。

 私がこの説に初めて触れた、故景山民雄さんのエッセイ集の中にはこんな話しもありました。

 クジラの脳は人間の何倍もの大きさがあります。クジラはその大きな脳で何を考えているのでしょう?
 クジラは人間のように経済活動を行っていません。生きていくためには、自分の食べる物を探して海の中を効率的に移動するだけでいいのです。あと考えることは子孫を残すために子育てをすることくらいでしょうか。
 それくらいのことのために、あんな大きな脳は要りません。しかし退化することなくあの大きさが保たれているのですから、あの脳は何かに使われているのです。では何を使われているのでしょう?
 景山さんはこう考えました。哲学しかないと。人間が人間とは何かを考えるように、クジラはクジラとは何かをあの大きな脳で考えているのです。そしてクジラは、考え抜いて出た答えを書物に残すことができませんので、すべてその脳の中に蓄えていきます。それから海の中で起こった出来事を、古代から現在に至るまですべて覚えていて、それらを次々と子孫に言い伝えていくのです。

 これを裏付ける証拠もいっさいありませんが、これがホントだとしたらあまりにも素敵なのでどんどん信じちゃいます。
 カナダにクジラが水中で発する声を解析している学者さんがいて、最近すこしずつ何を言っているのかわかり始めてきているそうですが、この説を信じているとワクワク加減が全く違ってきます。

 景山さんはどうして死んじゃったんでしょう? もっとワクワクさせて欲しかったです。

[Science]


About this entry


0 コメント: