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建築と著作権とプライドとモラルと

 こんな記事を読みました。
 partygirlの日記 - 『メリーさんの羊』は、『ロンドン橋落ちる』の盗作?

 相当に音楽に詳しい筆者によって相当な数の類似作品が列挙されています。そのラインナップは新旧あり、クラシックからロックまで、ありとあらゆる分野での類似が発見されています。さらに作曲家が作曲の依頼を受けるときに「○○風でお願いします。」なんていわれて、それに答えたなんてエピソードまでが紹介されています。

 私はここで何度か著作権について書いたことがありますが、創作の基本は模倣であり、純粋なオリジナルは本当に稀なのだと思っていて、著作権の存在意義は認めてはいますが、あまり過剰にそれを保護すると逆に創作の自由度が奪われるのではないかというスタンスでいます。

 私が携わっている建築の世界には、大まかにいって著作権が存在しません。

 「神は細部に宿る」ということば通り、有能な設計者ほどディテール(細部)にこだわって設計し、その集積によって居心地のいい空間や鮮烈な印象を与える空間が生まれます。ただ、その丹誠込めて生み出されたディテールは、それが優れていればいるほど、図面としてさまざまな場所で公開されます。そしてそのディテールは、そっくりそのまま流用されても全く問題はありません。
 それは何故か。有能な設計者であればディテールだけでなく全体をいかにうまくコーディネイトするかが重要であることを良く知っているし、何よりも建築は施主や敷地などの諸条件によって純粋には一品生産であるべきであり、その条件にあった着想の部分が最も評価されるからです。
 あるディテールが模倣されればされるほど、オリジナルの輝きはどんどん増していくのです。

 また、優秀な技術者のあいだでは「この部分はあそこのあれみたいな感じで」のような会話で仕事が進んでいくこともあります。

 どこかの素晴らしい建物を隅から隅まで模倣して、似たようなな条件の土地に建てることだって実際に可能なのですが、それがされていないのは、設計者にプライドとモラルがあったからだといえます。

 いまこそ強力なプライドとモラルが必要です。

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コメント

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