生涯「普通に勤める」ことに決めること

 宮本輝の小説の中に市役所に勤める若者が主人公のものがあって、その中にとても印象的な文章がありました。

 主人公の先輩が、市役所の採用試験を受ける前に、自分が定年退職するまでにいったいどれほどの給料を手にすることができるのか計算してみたのだそうです。物価の上昇度やの昇級度などを加味した上でやってみると、戦争や天変地異でも起こらない限り、生涯にもらう給料がほぼ正確に算出できたのだそうです。そして人並みに昇進していけば、最終の役職の違いによる差額もたいした額ではないこともわかったそうです。で、その先輩は

「普通に勤める」ことに決めたらしいのだ。一生を普通に生きていくことを決めてしまった三十そこそこの男から、二十歳になるまで煙草を喫っては行けないと注意されるのは、なんだかとても理にかなっているようにも思えて、僕は植草さんに何を言われても反発する気持になれないのだ。

 反発する気持ちについて取り上げているわけではないので誤解しないで欲しいのですが。(苦笑)これはあくまでも宮本さんが書いた文章であって、私の考えではありません。引用したのは私ですけど。

 多かれ少なかれ、公務員の皆さんはこんな心持ちを持っているだろうと思われるのですが、それが今、給料カットだとか退職勧告なんて状況に置かれているのです。彼らは今、われわれ公務員でないものにとってはおそらく想像することのできない危機的状況に置かれているのかもしれません。

 この文章は、あえて結論めいたものはなしで終わろうと思います。(←かえって毒)

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