坂本龍一からの手紙

 今朝、坂本龍一さんからメールが届きました。そこには電気用品安全法(PSE法)についての彼の見解が書かれていました。

 あ~、すいません。ウソいいました。ホントは坂本龍一公式サイト「siteSakamoto」が発行する日本語ニュースレターJOURNALSAKAMOTO+が届いただけです。

 「坂本龍一がまた立ち上がった」に書いたとおり、坂本龍一さんは来月一日から規制が始まるPSE法に対して早々に反対意見を表明し、署名活動に乗り出しました。
  しかし、その署名活動の運営方法にいくつかの問題があり、それに対して批判が集まったりもしましたが、今日の手紙の中で署名活動に乗り出すに至った経緯、そ してこの活動の主旨は、今回規制の対象になる様々な電気機器のうち、音楽機材のみについての法律の規制緩和を目的としていることを明確にしました。実は様 々な批判を集めたのはこの「音楽機材のみについての法律の規制緩和を目的としていること」が署名活動の途中で明確化され、趣意書の一部が書き換えられたこ とだったのです。

 手紙の最後はこう結ばれています。

ちなみにぼくが主に訴えているのは、自分の仕事に大きく関連する音楽機材についての法律の規制緩和ですが、この法律は広く家電などにも適用されることになります.
それら家電の中にも、すばらしいデザインのものが多くあり、問題は音楽関連機器だけではありません.
「文化財」なのは、楽器以外のものもそうなのですから、各業界団体が同じように声を上げ、この問題が根本的に解決されることになればよいと思います.
 もちろん、途中で趣意書が書き換えられたことには問題はありますが、この活動の主宰が日本シンセサイザープログラマー協会であり、発起人や賛同者のほとんどがミュージシャンであることを考えれば、それなりに筋が通っているとも思えてきました。私の心情としては。

 この件で何よりも重要なことが手紙の中で書かれていましたので、その部分を引用します。
これは決して「気持ち」や「精神」の問題ではなく、経済の問題です.
経済の要請からきているのです.例えば巨大都市開発を推進する人間たちが、古いものが嫌いなわけではないのでしょう.
もしかすると個人的には骨董が趣味かもしれない.
しかし、経済の否応ない要請として、古いものを壊し、新しいものを作るしかないのです.

事の本質は、いらぬ公共事業としてのダムや橋建設、あるいは護岸工事などと同根です.
これら全てが、目先の利益のために貴重な自然を破壊しています.
自然を破壊することによって、そこに依拠している種の多様性も破壊しているのです.
どのみち人間は自然の一部であり、自然に依拠しなくては生きていくことはできません.
ですから必ず破壊した自然のツケは、自らに回ってきます.

もうそろそろ20世紀型の自然破壊の経済を考え直して、持続性に基づいた経済というものを考えなくてはなりません.
その萌芽は世界中にうまれつつあるのではありませんか...
 この問題に関するこれまでの経緯、最近の経済産業省のスタンスなどについては :: H & A :: bookmark / pse を御覧下さい。


 なお、この手紙には以下のような文章も書かれています。
*本ニュースレターの内容は基本的に「転載禁止」としていますが、この「PSE法について」に関しては、有効活用していただきたいと考えています.
転載、発言の一部引用などご希望の方は、info@sitesakamoto.comまでご連絡ください.
NYにいるため本件についてメディアからの取材依頼をお引き受けできない状況が続いていますが、
特にメディア関係の方の積極的な発言引用を期待しています.
 ということで、この記事は事前に sitesakamoto に転載許可をいただいています。また、 sitesakamoto から来た転載許可の連絡メールには、この記事で引用した部分がさらに転載されることのないように注意して欲しい旨が書かれていましたのでよろしくお願いい たします。

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2 コメント:

  1. H & A 2006年3月14日 15:59

    経済産業省が規制緩和の発表をしました。

    ITmedia News:PSE法、ビンテージ楽器は「例外」に

    でも、緩和の対象は電子楽器、音響機器と、写真焼き付け機、写真引き延ばし機、写真引き延ばし用ランプハウス、映写機に限定されたようです。

     
  2. H & A 2006年3月15日 9:25

    このニュースレターの文章の全文が、坂本龍一さんのブログで公開されました。

    ひっかかり:電気用品安全法(PSE法)について

    興味のある方は御覧下さい。