田口ランディメソッド

1年ほど前に田口ランディさんのエッセイ集を集中的に読んだ時期がありました。きっかけはフラリと立ち寄ったヴィレッジ・ヴァンガードの書棚に置かれていた「できればムカつかずに生きたい」の表紙の眼に魅入られてしまったこと。

それからどんどんハマっていきました。それまで彼女の小説はいくつか読んだことはあったけれど、エッセイを読むのはそれがはじめてでした。しかしもともと彼女はネットに書いたエッセイ的な文章が人気を呼んでデビューしたひと。あらためて彼女の魅力に気づかされた気がしました。

いくつかのエッセイ集を読んでいくと、「田口ランディメソッド」のようなものがあることに気づきました。

彼女は次から次へといろんなものにのめりこんでいきます。アウトドア。自分の家族。父親の介護。パワースポットなどのスピリチュアルな世界。
一度ハマると、とにかくどんどん突き進んで、とても深いところまでたどり着き、それらについて1冊の本を書けるほどになります。しかしそれらのどれについても、ハマる直前まで彼女はそれらのことを心底嫌っているのです。

特殊な家庭環境で育ったために、自分では気づくことはできないと思っていたあたたかな家庭。粗野で強引で身勝手な、大嫌いな父親。毎晩飲んだくれて、アウトドアとは無縁の生活。多少の嫉妬心とともにアウトドアにのめりこんでいる人たちを毛嫌いさえしていた。霊的なものの存在なんて絶対に信じなくて、すべては合理主義の上に成り立っていると考えていた。

しかし、そんな彼女の言葉だからこそ、そんな彼女でさえもハマってしまった事柄だからこそ、妙な説得力とともに「ひょっとしてオレもこんな風に思えるのかも」と思わせてくれます。

いわゆるツンデレとはちょっと違います。「真逆の説得力」とでもいえばいいでしょうか。狙ってできるものじゃないので、応用はできないと思いますが。

できればムカつかずに生きたい (新潮文庫)
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馬鹿な男ほど愛おしい (新潮文庫)
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ひかりのあめふるしま屋久島 (幻冬舎文庫)
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Posted at 時刻: 5月 15, 2008 on 2008/05/15 | 0 コメント | Filed under: , ,

基準になる、ということ

sukebeninngenn さんのブログより

この中でこんなことをおっしゃっています。
今現在、服のあらゆる価値の評価基準になるのはユニクロ。あれが最もコストパフォーマンスの良い服。
洋服だけに限らず様々な品種において、それぞれの価格帯で基準となるブランドのようなものがあるような気がします。

たとえば僕が携わる建築設計の世界でいえば、照明器具の選定をするとき、あまり主張しなくてよい部分の器具を選ぶときに使うブランドと、ここはちょっと気合を入れてキメたいという部分に使うブランドというのがあります。

品質はきっちりと確保したうえでコストパフォーマンスを重視するのか、品質に加えてデザイン性や独自性を強く打ち出して一品生産的な付加価値を高めることで、高価格でも選んでもらえるようにブランディングするのか。

品物を選ぶときにパッと思いつくブランドというのはそのどちらかで、どっちつかずで中途半端なブランドは、その時点で選から漏れてしまいます。

似たような言葉で「ワールド・スタンダード」というのがあります。
ベータとVHSとか、最近ではブルーレイと HD DVD がワールド・スタンダードとなるための熾烈な争いを繰り広げました。しかしこれは市場や消費者そっちのけで、ブランド同士のチカラ関係や政治力がモノをいう世界であるという点で、この話とはまったく別の話なのです。

いかに「価値評価基準」となるブランドになるか。とても重要なことですね。

Posted at 時刻: 5月 14, 2008 on 2008/05/14 | 0 コメント | Filed under: ,