雪原を歩く

自宅の仕事場でのデスクワークの息抜きのために、よく近所を散歩することがあります。夏のあいだは自転車で川沿いの道を走ったり、山道を登っていったりしました。冬になって雪が積もって、自転車で出かけることができなくなってしまったので、最近は自宅そばの河畔の林の中をあることが多くなってきました。タイトルには「雪原」と書きましたが、その言葉からイメージされるほど広大な大地を悠々と歩く感じのものではなくて、まばらな木の間を縫ってちょろちょろと歩くような感じです。タイトルなのでちょっと釣り気味にしてみました。

そこはこの近所のたくさんの人たちの散歩コースになっていて、人がひとり通れるだけの細い道が踏み固められてできています。そこからはずれると、足が雪の中にくるぶしよりも上まで埋まってしまうことになります。正面から誰かが歩いてきたら、どちらかが気をきかせて道をゆずらなければなりません。そういうところで自然と見知らぬ人たちとコミュニケーションを取ることになります。冬が深まってくると、徐々に川に氷が張って雪が積もり、最終的には向こう岸と雪原がつながってしまいます。そこに夜のうちに動物が向こう岸とのあいだを行き来した足跡がついていたりして、そんな様子を見ながら歩くのが楽しいです。

いつものように歩いているとき、ふと、この「道」を人生にたとえてみるとおもしろいなぁと思いつきました。
一日中雪が降り続いたりすると、みんなで踏み固めた「道」はすぐに消えてしまうのですが、そのあと一番最初にここを歩いて「道」をつくった人は大変だったろうなぁとか、それを考えると、すでに踏み固められた「道」を歩くのはにとても楽だなぁとか、たまに「道」から外れた足あとを見つけると、これは子供かな? 散歩につれてきてもらった犬かな? などと思いを巡らせます。そして、子供のころは「道」から外れるリスクなんて考えもしなかったなぁなんて考えたりします。そして、「道」とはまったく関係なく林の奥のほうからきて、「道」を横切って川の方へ降りていく野生動物の足跡を見て、ちょっと清々しい思いを胸に抱いたりします。

こんなことを考えながら歩く雪の上の散歩は、けっこう楽しくてやめられません。


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