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許す力

ずっと前にテレビでみた日本に住む外国人たちが日本での生活のことなどについて話す番組で、中国人と韓国人が日本の戦後賠償や歴史認識などについて怒りながら話し始めました。ひどいことをした日本のことが許せないというわけです。それを聞いていたある黒人男性が、我々黒人はつい100年ほど前まで白人社会で奴隷として扱われていて、解放運動をしているあいだはそりゃ色々あったけど、奴隷解放以降は白人たちとけっこう仲良くやってるし、奴隷として扱われていたころの賠償をしつこく求めたことなんて一度もない。あなた達はいったいいつになったら日本のことを許すんですか?と言いました。すると激しくまくしたてていた中国人も韓国人も、シュンとおとなしくなってしまいました。

ずっと前に品格について書いたことがありました。その時は「寛容さ」と書きましたが、それはつまり「許す力」です。「許容力」と言い換えることもできるかもしれません。あるいは「罪を憎んでひとを憎まず」という言葉もありますね。そういう力の大きさが、その人間の品格をつくりだすのだと思います。

僕は小学生のころ、母親に「あなたはホントに簡単に人を許すけど、それってなかなかできることじゃないんだよ。スゴいことなんだよ。お母さんにはちょっと真似できない。あなたのそういうところ、スゴく偉いと思うよ。」と褒められたことがありました。そんなふうに手放しで褒められることってあんまりなかったので、とても良く覚えています。でもその時はそんなふうに褒められても意味がよくわかりませんでした。

ずいぶんたって大人になってからようやくその意味がおぼろげにわかるようになってきました。ただ、意識してそうしているわけではなく、自然にやっていることなのでいまいちわかっていなかったと思います。でもこの歳にもなるとさずがにどうしても許せないひとのひとりやふたりはできました。そういうひとが出現したときに初めて「許す力」の存在を本当に認識できたのです。

この先いつか、そんなどうしても許せなかった人のことを許すことができる時がくるかもしれません。そのとき僕は次のステップへ進めるような気がしています。